バイクが事故にあったとき、見た目以上に深刻なのがフレームの歪みです。気づかずに乗り続けると、安全性にも影響が出るおそれがあります。でも、しっかりチェックして修正すれば、まだまだ走れる可能性はあります。ここでは、フレームの歪みを見抜く方法、修理の手順、注意しておきたいポイントをまとめました。
フレームの歪みはどうやって確認する?
事故のあと、「なんとなくまっすぐ走らない」「カーブで違和感がある」と感じたら、まずフレームの歪みを疑ってみてください。
簡単なチェックとしては、正面や背面から見たときにハンドルやタイヤが真っ直ぐになっているかどうか、ストッパーの変形がないかなどが挙げられます。とくに、ハンドルストッパーの凹みや溶接部のひび割れは、衝撃を受けた証拠です。
乗車時の感覚も重要です。たとえば、両手を軽く添えるだけで走行していると、真っ直ぐ走るつもりなのに車体が自然と片側に寄っていく場合、フレームの芯がずれているかもしれません。また、コーナーでスムーズに曲がれなかったり、車体が傾いた状態でバランスを保ちにくい感覚があれば、それも歪みのサインです。
より確実に判断したいなら、プロの目と設備に頼るのが一番です。バイク専門の修理店では、レーザー測定器や修正台などを使ってミリ単位の誤差まで正確に診断してくれます。目に見えない違和感を数値で把握できるため、原因の特定にも役立つでしょう。
フレームの修正はプロの領域
フレームの修理には、専門的な技術と設備が求められます。自分で直すのは非常に危険なので、必ず修理実績のある業者に相談しましょう。
主な修正方法としては、フレームを温めて圧力をかけて戻す方法、あるいは傷んだ部分を切除して溶接する方法があります。どちらも高精度な作業を必要とし、修理中にフレーム全体のバランスを取る必要があるため、熟練の技術が求められます。
また、フレーム修正後は再測定を行い、まっすぐに戻っているかどうかを確認する工程も欠かせません。一見まっすぐに見えても、わずかなズレがハンドリングや振動につながるため、確認作業まで丁寧に行う業者を選ぶと安心です。
費用の目安はおおよそ6万円前後から。バイクの構造や損傷の度合いによって上下しますが、修理にかかる日数も業者によって異なるため、早めの見積もりとスケジュール確認が大切です。
修理前に知っておきたい注意点
フレームを修正しても、元の強度が完全に戻るとは限りません。加熱や溶接によって金属の性質が変わり、素材が脆くなるケースもあります。特にサーキット走行や長距離ツーリングを楽しむ方は、負荷がかかる場面での再トラブルに注意が必要です。
修正の跡が外観に残ると、査定や下取り時に事故歴として判断されることがあります。将来的な価格に響く可能性も理解しておきましょう。
修理を依頼する業者を選ぶときは、修正後のアフターサービスや再診断の対応が整っているかをチェックしましょう。技術力だけでなく、その後のケアまで丁寧に行ってくれるかどうかが、信頼できる業者かどうかの見極めポイントです。