メッキ部分の補修

メッキ修理

メッキパーツは、バイクの印象を大きく左右する部分です。少しの傷やサビでも目立ちやすく、手入れを怠ると劣化が進んでしまいます。そこで今回は、メッキ部分にトラブルが起きたときにどう補修できるか、また状態を保つために使えるケミカルアイテムについて紹介します。DIYでできる範囲と専門業者に任せるべき内容も含めて解説します。

DIYでできるのは“応急処置”まで

メッキが一部剥がれていたり、小さなキズが気になる場合、まずは補修の範囲を確認しましょう。軽度の症状であれば、専用品を使ってある程度見た目を整えることが可能です。

代表的な道具としては「メッキ調補修ペン」や「クローム風塗装スプレー」があります。これらは本物のメッキ層を復元するものではなく、金属調の塗膜で目立ちにくくする用途です。つまり、根本的な修復ではなく「見た目をカバーする応急処置」として使用されます。

また、サビが出ている場合には、メッキ用のサビ取り剤が役立ちます。たとえば「サビトリキング」は、メッキ層を削らずに酸化部分だけを除去できる処方で、細かい部分にも使いやすい仕様です。ただし、どの製品を使う場合も力の入れすぎには注意が必要です。メッキは非常に薄いため、無理に擦ると逆に下地が露出してしまうことがあります。

あくまでDIYで対応できるのは「表面的な補修」にとどまり、メッキ本来の輝きを取り戻すには至りません。この点を理解した上で、使い方を誤らないようにしましょう。

本格的な補修は業者に相談を

メッキの浮きや剥がれが広範囲に広がっていたり、腐食が進んでいる場合は、DIYでは対処しきれません。そういったときは、専門の業者による再メッキを検討しましょう。

再メッキとは、古いメッキ層を一度すべて除去し、新たに金属皮膜を重ねていく工程です。工程には脱脂や研磨、下地処理、電解メッキといった専門作業が含まれるため、自分で行うのは現実的ではありません。

また、近年では「補修メッキ」と呼ばれる、部分的な施工を行うサービスも登場しています。ただしこの方法は、コストが必ずしも安く済むとは限りません。施工箇所に下地処理が必要な場合や、パーツ全体のバランスを取るための追加作業が発生することもあります。さらに、修復した部分だけ光沢や厚みに差が出ることもあり、仕上がりの違和感を避けられないケースもあるため、事前の相談と合意が欠かせません。

本格的な補修を考えるなら、信頼できるメッキ業者を探し、施工内容や費用、納期などについて丁寧に確認しておくことが大切です。

保護ケアはコーティング剤で

補修の有無にかかわらず、メッキ部分を良い状態で保つためには、日頃のケアが不可欠です。とくに有効なのが、保護用のコーティング剤を活用する方法です。

中でも定番として知られるのが、NAKARAIの「メッキング」。クロームメッキに特化した保護剤で、施工後は透明な被膜が形成され、水分や汚れから表面を守ってくれます。定期的に使えば、サビの発生を防ぐだけでなく、メッキ特有の輝きを保ちやすくなります。

施工方法も難しくなく、洗車後の乾いた状態で塗布し、しばらく置いてから拭き上げるだけ。作業時間もそれほどかかりません。メンテナンスの一環として取り入れれば、トラブル予防に大きく役立ちます。

他にも、ガラス系やポリマー系の保護剤を使えば、防汚性を高めたり光沢感を強調したりと、用途に応じた仕上がりが得られます。どの製品も、まずは使用対象や相性を確認し、製品表示どおりに使うのが基本です。

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