事故歴があると「どうせ安くしか売れない」とあきらめがちですが、実は査定額を伸ばすコツはいくつもあります。ポイントは、適切な業者選びと交渉時の工夫です。ここでは、事故車を少しでも高く売るために押さえておきたい業者の選び方と、交渉時に注意すべきことを紹介します。
事故の履歴があるという理由だけで過度に評価を下げられないよう、売る側も情報と選択肢を持っておくことが大切です。
事故車専門の買取業者も視野に入れる
事故車の査定額は、どの業者に査定を依頼するかで大きく変わります。まず意識したいのが、事故車の取り扱いに慣れている業者を選ぶことです。一般的な中古車販売店では、事故車の再販に不安を感じて価格を抑える傾向がありますが、事故車専門の業者であれば、パーツとしての価値や輸出ルートなどを加味した査定が期待できます。
また、一括査定サービスを活用すれば複数の業者から見積もりを取れるため、業者間での競争が生まれ、結果的に査定額が上がることもあります。必ずしも大手が高く買ってくれるとは限らないため、専門性や過去の実績もチェックしたうえで選ぶことが大切です。
査定前の準備で印象アップを狙う
事故車であっても、見た目の印象は査定額に影響します。まずはボディや内装の汚れを落とし、車内を清潔に保ちましょう。外装が多少傷んでいても、全体がきれいで整っていれば「きちんと扱われていた車」として評価されやすくなります。
また、メンテナンス記録や修理履歴、車検証、スペアキーなどの書類や備品をそろえておくことも重要です。修復歴があることは正直に伝えた方が、かえって信頼につながります。虚偽の申告は後から発覚するリスクが高く、最悪の場合は取引自体が無効になる可能性もあるため避けるべきです。
できる範囲で丁寧に準備し、「この車は大事にされていた」と感じてもらえるように整えておくことが、高額査定への近道になります。
交渉は焦らず、冷静に進める
査定額の提示後、すぐに即決を迫られることがありますが、こういった場合でも焦らないことが大切です。「今決めればこの価格」と言われても、その場で返事をせず、他社の査定と比較する時間を確保しましょう。
交渉の場面では、他社の具体的な査定額を伝えることは避けた方が無難です。理由は、その金額を基準にして価格が固定されてしまい、それ以上の上乗せが難しくなるからです。「他にも査定中の業者がある」とやんわり伝えるくらいが、駆け引きとしてちょうど良い距離感です。
また、売却の意思があることはきちんと伝えておくと、業者側も本気で交渉に応じてくれるようになります。淡々と比較しつつも、売る意思があるという前提を見せるのが、スムーズな交渉への一歩です。自分の車に納得できる価値があると信じる姿勢も、結果につながる重要な要素といえるでしょう。